YouTube(ユーチューブ)、2009年は4億7000万ドルの赤字とアナリストが予測

商業銀行「Credit Suisse(クレディ・スイス)」のアナリストが、YouTube(ユーチューブ)の2009年の赤字が4億7000万ドルほどになると報告しました。

4億7000万ドルということは、1ドル100円で計算すると日本円で470億円です。

GoogleによるYouTube買収額は16億5000万ドルなので、2009年1年間で買収額の4分の1強の赤字になるという推測になります。

以下、クレディ・スイスのアナリストによる報告内容です。


・YouTubeはアメリカ国内のオンラインビデオ市場では41%のシェアを誇る業界のリーダー的なサイトだが、マネタイズ(収益化)に関しては依然として取り組み段階にある。

・2009年、YouTubeは2億4000万ドルほどの収益を生み出す予定。これは前年比で約20%増になる。

・収益はアップしているが、通信にかかる費用・コンテンツのライセンス料金・広告売上の分配・動画を保存するハードウェアストレージの費用・営業経費などのサイトの運営コストは約7億1100万ドルにもなり、収益よりもサイト運営コストの方が大幅に多い。

・サイト運営コストのうち、通信にかかる費用が51%を占め、1日に100万ドルのコストがかかっている計算になる(1ドル100円計算で1日に1億円)。また、コンテンツのライセンス料金が36%を占めている。

・2009年、YouTubeでは750億のビデオがアップロードされる見通しであり、これは前年比38%増になる。

・2009年、ユニークユーザー数は3億7500万人ほどになる見通し。そして、そのうち最大で20%の人が常にYouTubeを開いているユーザーになる。

・ユーザーは1秒間に400キロビットビデオをダウンロードし、ピーク時には1秒間に3000万メガビットにもなる。

クレディ・スイスのアナリストは、YouTubeの赤字を減らすために次のような案を出しています。

(1)コンテンツを持っている企業との提携をもっと増やすなどして、マネタイズ(収益化)できるビデオをの割合を増やす。
(今週はじめに、YouTubeはディズニーABCテレビジョングループとESPNと提携し、専門チャンネルができた。)

(2)広告フォーマットを標準化して、広告の効果を向上することによって、より多くの広告主の需要を喚起する。


以上が報告内容です。

YouTubeって動画の数や利用者の数もすごいですが、僕が注目しているのは、YouTube上での検索回数です。

Silicon Alley Insiderによると、アメリカでの2008年8月のYouTubeの検索回数は、Yahoo!よりも多くGoogleに次いで2位です。

090408_1.gif
Silicon Alley Insider : World’s Second-Largest Search Engine Starts Selling Ads

YouTubeを買収したグーグル自体は検索エンジンでキーワードに関連した広告を出すことによってマネタイズすることができました。

同様に、検索回数が多いYouTubeでも同じ手法でマネタイズできないのか?と思ってしまいますが、そもそも検索エンジンとYouTubeでは検索者の意図が違うんですね。

たとえば、グーグルで「ペット」で検索したら、ペットショップでペットを買いたいかもしれませんし、ペットフードなどの関連商品を探しているかもしれません。もちろん、単純にペットの画像を探している人もいるでしょう。

しかし、YouTubeで「ペット」で検索した人は、明らかにペットの動画が観たい人です。

「ネコ」と検索さいたら、かわいいネコの動画を観たい人です。

そこには、「何かお金を出して買いたい」という欲求はなく、単純に「動画が観たい」という欲求があるだけです。

テレビをつけて、リモコンで番組を物色するような感覚で検索しています。

また、ウェブサイトの場合は検索エンジンはサイトオーナーにコンテンツのライセンス料金を支払う必要がありません。

しかし、動画の場合は提携した企業へのライセンス料金や広告で儲かった金額の分配というコストがかかります。

ウェブサイトとはちょっと勝手が違うんですね。

しかも、動画を保存するハードウェア(サーバーコスト)や通信にかかる費用もウェブサイトとは比較になりません。

いずれ、YouTubeは無料では使えなくなるという時が来るかもしれません。

見る方に課金してしまうと、ユーザー数が増えなくなり広告モデルが崩れてしまうので、動画をアップする側に課金するとか。

たとえば、100を超える数の動画をアップして、YouTubeをビジネスとして使っているユーザーだったら、ヤフオクのように月額300円くらいなら、払ってでも使いたいと思うでしょう。

YouTube動画からウェブサイトに誘導している人って多いですからね。

Multichannel News: YouTube May Lose $470 Million In 2009: Analysts

メディア・パブ: YouTube、膨れ上がる赤字

guardian.co.uk: Does YouTube actually make any money?