YouTubeの著作権違反動画で収益化を図る企業、アメリカでは動画内にAmazonやiTunesへのリンクも

昨日「YouTube(ユーチューブ)で音声が出ない動画やPVがある理由」という記事で次のように書きました。

ダンスレッスンで使っている音楽はどうなるのでしょうか?
彼らはCDを買って、それをダンススタジオで流しながらレッスンをしています。
でも、その風景をYouTubeにアップしただけで著作権違反になるのかな??

あれからちょっと調べてみると、YouTubeでは音楽や映像に関する著作権の面白い取り組みが行われていることが分かりました。

中には、ユーザーが著作権に違反してアップした動画から収益を得ている企業も。


今年1月に「角川グループ、YouTubeからの広告収入が月間1000万円超え」という記事を書きましたが、YouTubeで広告収入を得ているのは角川グループだけではないようですね。

ITmedia:角川だけじゃない、YouTube“違法”動画の収益化 個人ビデオ+BGMの公認も

権利者向けには、動画の削除ツールを提供しているほか、権利者が登録した動画について、同じ動画や似た動画を自動で照合する「Content ID」システムを運用。同システムは、元動画を一部編集していたり、テレビに写った動画を手持ちのビデオカメラで撮影した動画など元動画と完全には一致しない場合でも、高精度に自動検出できるという。

この同じ動画や似た動画を自動で照合する「Content ID」システムを使っているのは、YouTubeの世界のパートナー企業約300社のうち一割程度だそうです。

そして、このシステムで検出した動画に対して、権利者は次の3つの選択肢が選べるそうです。

(1)ブロック(ユーザー動画は公開前に視聴不能に。)

(2)トラック(ブロックはせずにトラフィック情報などを詳細に取得。)

(3)マネタイズ(マッチしたユーザー動画に広告などを表示し広告収益を受け取る。広告収益の6割以上をパートナー、残りをYouTubeが得る。)

この3つの選択肢のうち、権利者の90%は「マネタイズ」を選ぶそうです。

角川グループもこれでYouTubeからの広告収入が月間1000万円を超えました。

角川グループのアニメ「涼宮ハルヒのきしめん」は、下記のキャプチャのように右上に広告、右下に角川のYouTubeチャンネルへのリンクがあります。

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これって、ユーザーが勝手に宣伝してくれるだけでなく、収益媒体も作ってくれているということですからね。

角川のように著作権に神経質になりすぎなければ、宣伝と収益化を見も知らないユーザーが勝手にやってくれるという解釈ができます。

このほかにも、国内のレコード会社などが権利を持つ楽曲が、結婚式や大学のクラブの活動紹介など、プライベートな動画のBGMに使われていた場合、「いい使い方と判断すれば」権利者が使用を許諾し、広告を貼り付けて収益化するケースもあるという。

ダンスレッスン風景をアップした動画もこのケースに当たりそうですね。

米国では、ユーザーが無断で投稿した楽曲動画に、権利者がAmazon.comなどMP3ファイルの販売サイトへのリンクを付けて販売につなげるという試みもスタート。

アメリカでは動画内にAmazonやiTunesへのリンクが表示されるんですね。

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この試みはすごく自然なことだと思いますね。

動画を観ている人によっては、使われているBGMを気に入って、「誰の曲なのか?」「なんという曲なのか?」「この曲、欲しいなぁー」と思う人もいるでしょうからね。

上のキャプチャで使われているYouTube動画は「Pork And Beans W/Annotations」です。

このページでも右上に広告、右下に「Universal Music Group」のチャンネルへのリンクがあります。

楽曲販売サイトへのリンクは現時点ではアメリカだけの試みなので、日本ではAmazon MP3やiTunesへのリンクは表示されません。

これが実用化すれば、「ミュージシャン+音楽レーベル+YouTube+Amazon+iTunes+音楽を気に入ったユーザー」のみんながハッピーになれると思うのですが、そんな単純なことではないのかな?

みんなにとって、Win-Winだと思うんですけどね。